第9報:心不全と上手に付き合う-その4-
さて、心不全のお話も、<心不全の予防>についてで、一応最後としましょう。
尚、お薬のことなどに関しては、今回は全く触れていませんのでご了承くださいね。
心不全の予防のためには、まずは、心臓の機能をしっかり評価されることが不可欠です。
その上で、運動の上限ならびに下限を決定することが重要です。
通常、運動制限と称して、運動の上限を脈拍で規定することに終止することが多いのですが、
心不全の予防には定期的な運動をはずすことは出来ません。
覚えていらっしゃいますか?心臓を良くすることは出来ないのです。
それでは、一体どうやって心不全を予防するのか。そうです。体を変えてしまうのです。
それには、定期的な運動が一番。そこで、安全で有効性の高い運動強度を決定することが重要なのです。
加えて、きはらハートクリニックでは、和温療法をお勧めしています。
これは、入浴(低温サウナ)を利用した全身保温療法のようなものです。
和温療法には、体を温めることによって、心臓からの血液拍出量を増加させ、血管機能を改善させるという大きな目的があります。
ここでも、心臓を良くするというよりも、心臓の周りを取り巻く環境、特に血管機能の改善に力点が置かれています。
徹底的に心臓を保護しようというcardiac protection(心保護)の導入なのです。
運動と入浴、こういった日常的な生活習慣を見直し、徹底的にcardiac protectionを生活に導入することで、
運動能力も向上し、少しくらいの無理な労作も可能となります。
これは、患者さんにとっても極めて望ましいことで、
寝たきり生活を余儀なくされていた方が、山形屋などに買い物に行けるようになるのです(実話です)。さあ、今からはじめましょう。
さて、運動と入浴に加えて、もう一つ大事なものがありますね。そうです。食事です。
食生活で重要なこと。それは、カロリー制限と、水分・塩分制限です。
だ~から、いやなんだよ~という声が聞こえてきそうですが、こればっかりは無視することは出来ません。
暴飲暴食を慎むことはもちろん、日々の食生活管理はしっかりすることです。
一人では難しいことも多いですが、みんなの力を借りながら、何とか頑張りましょう。
さらに、もう一つ大事なこと。
それは、きはらハートクリニックが常に掲げていることですが、いつも笑顔で元気でいることです。
そして、感謝の気持ちをいつでも忘れずにいることです。
心不全治療は、一人では出来ません。周りの人たちの励ましや、応援あって、はじめてうまく機能していくものなのです。
まず、あなたが笑顔でいることが、まわりを笑顔にすることを決して忘れないでください。
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