第10報:血圧が高いと何故悪い?
当クリニックで定期的に行っている、ハートに響く心臓講座で再三取り上げてきた<高血圧>ですが、
このハートほっと通信ではまだ取り上げておりませんでした。
何としたことでしょう。
ということで、気を取り直してシリーズもので高血圧を語りたいと思います。準備はよろしいですか?
高血圧シリーズの第一弾は、どうして血圧は高いとダメなのか。その疑問にお答えすることから始めます。
その後、どうして血圧は上がっていくのか、高血圧と診断されたら、どうお付き合いしていくのか、どういった治療を受けるべきなのか、
そういった疑問にお答えしていくことにします。
なぜ、血圧は高いといけないのか?
多くの方は、血圧が高いと脳卒中になるとか、心筋梗塞になるといった、怖い病気のイメージから、血圧をお考えかと思います。
もちろん、それで間違っているわけではありません。
また、一部には血圧が高いと動脈硬化が進むからといったお考えの方もいらっしゃるかもしれません。
いずれも正解ですが、完全ではありません。もう一つ。このハートほっと通信ならではの視点を付け加えましょう。
それは、血圧が高いと心不全になる、です。
血圧とは、全身をめぐる血管の内圧ですから、その元をたどっていくと、心臓に行き着きます。
逆に言うと、血液は心臓から血管に送られ全身に届けられるわけですから、血管の圧が上がると、心臓が血液を送り出すのに余計な力が必要となるのです。
その結果、心臓は筋骨たくましい心臓に変化していきます。いわゆる心肥大といった病態です。
そして、肥大した心臓の筋肉は柔軟さを失い、拡がりにくい心臓となり、十分な血液を体に送り出すことが出来なくなる・・・。
これが、高血圧がもたらす心不全への序曲なのです。
さらに、もう一つ。最近の話題から、高血圧がもたらす怖い病態をお話しましょう。
それは、血圧が高いと腎臓(おしっこを作る臓器です)が悪くなるということです。
ご存知の方も多いかと思いますが、おしっこは元来、血液中の不要なものから出来ています。
つまり、おしっこを作り出す腎臓には、とてもたくさんの血液が流れ込んでいくわけです。
その血液が流れる腎血管の圧(つまり血圧)が高くなると、腎臓そのものの排泄作用が悪化していくことになるのです。
今回のハート通信は何やらきな臭い、危険な香りが漂いますね。しかし、ご安心ください。
次回からは、この血圧とのお付き合い方法を、わかりやすく説明していく予定ですから。
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