第8報:心不全と上手に付き合う-その3-
今回は、心不全と上手に付き合う方法パート3です。心不全の早期発見について語ってみますね。
次回、パート4で、心不全の予防で最後となる予定です。長くなっておりますが、
よろしくお付き合いください。それでははじめます。
心不全の早期発見のためには、まず、心不全の初期症状を患者さん本人がしっかり知ることが重要となります。
もちろん、症状が出る前に、検査で診断を下される場合も多いのですが、
それにしても、まず患者さんが病院に出向く必要があるわけですから、
なるべく早期に心不全を上手に見つけ出すことが重要です。
心不全とは、「体が必要としている血液を、心臓が送り出せない状態」でしたね。
つまり、心臓から体に送られる血液量が減り、体から心臓に還っていく血液量は増えることになります。
そのため、血液分布の不均等という状況が生じ、血液量が不足する左側(動脈側)では、
ふらつき・手足の冷え・おしっこの減少といった症状が現れます。
逆に、血液量が過多となる右側(静脈側)では、
むくみ・便秘・食欲不振・体の疲れ・息切れといった症状が現れるのです。
その中で、心不全患者さんは、息切れを主な訴えとして来院されることが多いのですが、
この症状は比較的後期に訪れるので、早期発見としてはやや手遅れ。すでに、心臓は疲弊していることが多いのです。
きはらハートクリニックでは、もっとも気をつけたい症状として、食欲不振をキーワードとしています。
その他の症状も、もちろん気をつける必要はあるのですが、
なかなか早期に心不全症状との区別をつけることが難しいのです。
もちろん、食欲不振だけで、心不全と断定することは難しいのですが、
ここに患者さんが、ご家庭で毎日できるあることを付け加えるだけで、心不全の早期発見が可能となります。
さて、それは一体なんでしょうか?
答えは、毎日の体重測定とその記録です。
え?な~んだそんなこと、ですか?ちょと待って下さい。よく考えてください。
心不全の場合は、食欲が落ちて、そして体はおしっこの量が減り、むくみが出るんでしたね。
つまり、体重は逆に増えるのです。
食欲が減り、体重は増える。こんな異常なことが、心不全の初期に起こるのです。
このことさえ知っておけば、ご自身で心不全を発見することも可能だと思われませんか?
そして、心不全を疑ったら、特に午前中は安静にすることです。
出来れば臥床の状態を長くしましょう。それだけで、おしっこの量が増えるのです。
(腎臓の血液量が増えるため)。そして体重が減少すれば、OK。変わらなければ、病院に直行しましょう。
薬を少し増やす、あるいは変えるだけで、心不全のコントロールはすぐにつくことでしょう。
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