第7報:心不全と上手に付き合う-その2-
今回は次回から引き続き、心不全と上手に付き合う方法の続編です。
ハート通信も何となく本格的になってきましたね。それでははじめますよ。準備はいいですか?
さて、心不全と上手にお付き合いするためには、心不全そのものの病態をある程度知っておかなければなりません。
前回も指摘しましたが、ここがとても肝心なところとなりますので、
今回の話の中心は、「心不全とは一体なに?」ということを、簡単に説明していきますね。
決して難しい話ではありませんので、しっかり理解しましょう。
心不全とは、「体が必要としている血液を、心臓が送り出せない状態」と定義されています。
いきなり、定義など小難しい話になりましたが、要するに、心不全とは、心臓と体のバランスによって決まるということです。
ここが最も大切なところですから、しっかり覚えてくださいね。
つまり、心臓病の場合、視点が心臓だけに向けられているのに対し、
心不全とは、体から心臓を眺めているという具合に、体にその視点が向けられているのです。
そのため、心臓の悪い方が、無理な運動をしたり、暴飲暴食を行うなど、体に無理な負担を加えると、
心臓から送られる血液が不足し、心不全を発症することにつながるわけです。
逆にどんなに心臓の働きが悪い方であっても、体を上手にコントロールすることで、
悪い心臓の働きを十分に補佐することが出来れば、心不全の発症を未然に防ぐことが出来るという訳です。
もう一つ、とても重要なことを付け加えましょう。
それは、心不全を発症すると、心臓の働き(心機能)が悪化していくということです。
つまり、心臓に無理なことをさせてしまうと、心臓そのものの働きが悪くなり、
ますます心不全を起こしやすい状態をつくってしまうことになるのです。
これは、心不全の悪循環といわれるもので、
このサイクルに入ってしまうと、心不全の予後は極めて不良となってしまいます。
ですから、心不全と上手にお付き合いするためには、心不全の発症を未然に防ぐことが最も重要となるのです。
つまり、心不全の予防ですね。
また、比較的軽い心不全の場合、心機能が不可逆的に悪化するような状態には到りませんので、
心不全を早期に発見することも、とても重要となります。
心不全の早期発見・予防。これが、心不全と上手にお付き合いするキーワードです。
そのためには、患者さん本人が、心不全を正しく理解し、ご自身をコントロールしていく必要があるのです。
繰り返します。心不全は、医者が治すものではありません。
患者さんと医療従事者とが一体となって、はじめて治療効果が上がるものなのです。(次号に続く)
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