第5報:糖尿病とどう向き合う?


前回、糖尿病に関して、どういった病気なのかを中心にご紹介しましたが、 今回は、糖尿病との上手な付き合い方について主にお話しますね。

前回お話した通り、糖尿病を放置することは、 (神経・目・腎臓に生じる糖尿病による三大合併症を含む)血管病にとって致命的な事態を招くことにつながり、 極めて危険なことと言わねばなりません。
また、糖尿病は、10年を越える長年の食行動の乱れから生じることが多く、 糖尿病と診断された方の食事指導は極めて困難を極めることが多いというのも特徴と言えます。

ここに、糖尿病治療の難しさがあります。

いかに、早期から食事・運動習慣を改善させることが出来るか。 しかも、なるべく薬の力を借りることなく、より早期に血糖値(血液中の糖の濃度)を 正常化させることが出来るかが大きな命題と言えましょう。

例えば、食生活の改善を考えてみましょう。 いろいろな食品のカロリー計算に始まり、脂質のエネルギー比率など、 糖尿病管理のためには、考えなければならないことはたくさんあると言われています。 しかし、これを毎日の食卓で実現することは本当に大変なことです。

では、一体どうすればいいのか? 実は、糖尿病のコントロールを決めているのは、食後の高血糖であり、 それは炭水化物・単純糖質の摂取量である程度決まってしまうことをご存知ですか?

つまり、蛋白や脂肪の摂取では、血糖はほとんど上昇しないのです。
これまで、食事制限だけで糖尿病をコントロールしようとすると、 かなり無理な空腹感を我慢する必要に迫られ、結局失敗を繰り返してきた方も多いかと思います。
しかし、食事の内容を見直すことで、空腹に悩まされることなく、糖尿病はある程度コントロールできるのです。
知ると知らざるとでは、大変な違いですね。

ついで、食後の運動。これが重要です。食後30分から運動を開始するだけで、血糖値は必ず改善します。
食事を我慢するくらいなら、死んだ方がいいという極端な方もいらっしゃいますが、 そんな方でも運動を習慣にすることは、さほど難しいことではありません。 まず、出来ることからはじめましょう。

また、最近では、患者さん自身での血糖測定も随分と簡単になってきており、 血糖を含めた健康管理が、比較的容易となってきました。

出来ることから始める。

これが、病気と長く付き合う上で、もっとも重要な考え方です。 決して投げ出さず、病気と真正面から向き合うこと。これが大切なのです。

決して無理なく穏やかに。いつも元気で、笑顔でいられるために。 きはらハートクリニックのコンセプトと同じですね。


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