第4報:糖尿病を知る


最近、糖尿病関係の書籍なども数多く出版されるようになり、 みなさんの糖尿病への関心も大きくなってきているように見受けます。

きはらハートクリニックでは、特に血管病予防の観点から、糖尿病の早期診断・早期加療を重視しており、 境界型糖尿病の状態から、積極的な治療の対象と考えております。
と言いますのも、糖尿病を放置することは、血管、特に神経・目・腎臓における微小な細血管にとって 致命的な事態を招くことにつながり、極めて危険なことだからです。

では、糖尿病とはどういった病気なのでしょう。多くの方が、糖尿病に関し、 ある程度の知識を持っていらっしゃいますが、誤解されていることも多いので、ここで簡単におさらいしてみましょう。

糖尿病とは、血液中の糖の濃度が高い状態が続き、その結果、全身の細い血管が障害される病気です。

では、何故、血液中の糖の濃度が上がるのか。ここが問題ですが、 これは長年(平均12年と言われています)の食行動の乱れなどにより、 すい臓と呼ばれる臓器が疲弊することにより生じます。(2型糖尿病の場合)

糖尿病の診断は簡単です。採血と検尿で、ほとんどの糖尿病のステージ分類が終了します。
空腹時の血糖が110-126であれば、境界型糖尿病が疑われます。甘いジュースを使った糖負荷テストが行われ、 ジュースを飲んだ2時間後血糖が130-200であれば、境界型糖尿病と診断され、その時点で治療の対象となります。
また、空腹時血糖が126を超えていれば、その場で糖尿病が疑われ、糖負荷テスト2時間後血糖が200を超えれば、 糖尿病と診断されます。(空腹時血糖150、随時血糖200を超えれば、糖尿病が確定診断されます)

ついで、血液中のHbA1c(ヘモグロビン・エイ・ワン・シー)およびクレアチニンと呼ばれる物質の測定とあわせ、 尿の検査を行います。尿中に排泄される糖および、蛋白量(アルブミン量)を測定することで、 糖尿病でもっとも危惧される腎臓病のステージ分類が可能となります。

糖尿病は、こわい病気です。

しかし、早期に治療が開始されれば、もっとも簡単に治療効果が上がる病気であり、 上手にコントロールされれば、ちっとも恐れるに足りない病気でもあります。

まずは、患者さん自身の糖尿病のステージ(重症度)を知り、それにあった治療法を決定しましょう。 そして、出来ることを、なるべく早くからはじめましょう。

次回は、糖尿病との上手な付き合い方について、主に食事・運動に関してご紹介しましょう。 目からうろこの食事療法をご期待ください。


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